+01.残酷な天使+








僕は、ひとつの目的のために、此処に存在している。

『人類補完計画』

全てのリリン達がひとつとなる。他人が自分で、自分が他人の世界。

全ての終わり…。

これが、世界を裏で操るSEELEの老人達の目標であり、

リリンの希望であるとする。

それを達成するが為の存在…それが僕だ。






「あの…君は…?」
「僕はカヲル、渚カヲル。君と同じ仕組まれた子供、フィフスチルドレンさ。」






何故ヒトはレールを敷きたがるのだろう。

自らの末路すら、とうの昔に決められている。

僕も、永遠に生きるというレールが、目の前に敷かれているんだ。

でも、されるがままのリリン達なんて、どうでもよかった。

ただ…僕を利用し、自分の欲望のみを求めて生きるSEELEの老人達が嫌いだった。






「人間が嫌いなのかい?」
「別に…どうでもよかったんだ。ただ、父さんが嫌いだった。」






初めて、自分と同じ年頃のこと知り合ったんだ。

初めて、気持が共感出来たんだ。

初めて、ヒトを好きになれたんだ。本当に。






「僕は君に会うために生まれてきたのかもしれない。」






もっと一緒に笑っていたかった。

もっと一緒に話していたかった。

もっと一緒に居たかった。






でも、もう終わり。






「さぁ行くよ、おいでアダムの分身。そしてリリンのしもべ…。」






僕の行動は、深く君を傷つけてしまうかもしれない。

僕は、残酷な天使だったから。

でも、君を好きだったのは本当なんだよ。

だから、せめて君の手で終わらせておくれ。

僕の分も、しっかりと生きておくれ。






「待っていたよ、シンジ君。」






僕を、絶対的自由な世界へ誘っておくれ…−−















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お題1は小説にしてみました。
原作に沿った内容で…。


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